【結論】
入院には、医療費以外にも1日あたり5,000〜10,000円前後の自己負担が発生するケースがあります。
食事代・個室代・テレビカード代など、高額療養費制度ではカバーされない費用が意外と多いのです。
医療保険を考える際は、治療費だけでなく「入院生活にかかるリアルな出費」を知っておくことが大切です。
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入院費はいくらかかる?まずは平均入院日数をチェック
厚生労働省「令和2年(2020)患者調査の概況」によると、脳卒中での平均入院期間は77.4日とされています。
およそ2か月半の入院期間となり、長期化するほど自己負担が増えていきます。
医療費そのものは「高額療養費制度」によって上限が設けられていますが、治療費以外の部分は自己負担となります。
ここが、実際に入院してから「こんなにかかるとは思わなかった」と驚くポイントです。
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高額療養費制度ではカバーできない費用とは?
医療保険に加入するかを考えるとき、多くの方が「治療費はいくら?」に注目します。
しかし、病院で実際に働いていると、制度では補えない費用が想像以上に多いことがわかります。
ここからは、私が医療従事者として見てきた「治療費以外にかかる出費の実例」をご紹介します。
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治療費以外にかかる主な費用
■ 食事代
病院の食事には1食あたりの自己負担があり、長期入院では数万円規模の出費になります。
■ 個室代(差額ベッド代)
「落ち着いて休みたい」「お見舞いで周囲に気を遣いたくない」といった理由から、個室を選ぶ方が非常に多いです。
私の職場では、1日あたり5,000円〜。入院が長引くと、この費用だけで10万円を超えることもあります。
■ 病衣レンタル代
家族が頻繁に洗濯に来るのは大変ですし、食べこぼしや汚染の際には看護師が対応できるため、レンタルを利用する人が多数です。
■ テレビカード・冷蔵庫代
私の勤務先では、1,000円で約11〜12時間視聴可能です。
冷蔵庫の使用もテレビカードで支払うため、飲み物を冷やす人は消費が早い傾向があります。
最近はスマホで過ごす方も多いですが、その場合は通信料が別途かかります。
■ オムツ代
高齢者や重症患者では、トイレに行けないことも多く、1日数枚〜10枚以上のオムツを使用します。
1枚あたり100円としても、1日で1,000円前後になることもあります。
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医療保険は本当に必要?加入の目安を考える
入院期間や生活スタイルによっては、これらの治療費以外の自己負担をまかなえる貯蓄があれば、医療保険に加入しなくても対応できる場合があります。
一方で、
「絶対に個室で入院したい」
「家族に経済的負担をかけたくない」
といった希望がある場合は、1日5,000円程度が支払われる医療保険に入っておくと安心です。
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まとめ:入院費のリアルを知って、後悔しない選択を
入院費というと「医療費」ばかりに注目しがちですが、実際には生活費に近い出費が意外と多いのが現実です。
私自身、日々の業務を通して「ここにこんなにお金がかかるのか」と感じることが多くあります。
医療保険を検討する際には、治療費だけでなく入院生活にかかる費用全体をイメージしておくことで、後悔しない選択ができます。
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